2012年09月22日

29-1 淀川水系一の清流!?(神崎川1◆124本目)

水位:0.92m(如来堂) 気温:27℃(東近江) 天気:晴れのち曇り
区間:大湯堰堤下〜茶屋川出合(約1.0km) 所要時間:0.5h メンバー:ソロ



 近畿地方は三連休明けにまとまった雨が降りましたが、南高北低の傾向にあったようで、うちのご近所(丹波、但馬)はからっきし。そこで比較的近場の紀ノ川水系、宮川水系を狙っていましたが、水が引いてしまっていて決め手に欠ける状態でした。

 それならと、琵琶湖東岸、東近江地方に出かけてみることにしました。先週の岐阜行きなど、過去幾度となく通過していますが、実はこれまで目的地として訪れたことはありません。今回はその、名神高速から東に見える山並みの中を流れる川がターゲットになります。
 かねてより気になっていたエリアで、今春ざっと情報収集はしたんですが結局ご縁がなく、その後半年も放置してたんで、さすがにほとんど記憶に残っておりません。早朝、夜行バスを降りて大阪駅から三田駅へ向かう道中で決めたんで、準備不足もいいところ。まあ、下れる可能性は低いやろから下見中心になるやろと思ってたし、とりあえず行ってみようレベルで向かうことにしました。

 三田を10時過ぎに出て、名神八日市ICに着いたのが正午前。先週ほどではないですが、京滋間でそこそこ渋滞してました。国道421号八風街道に沿って、南東へ。道中通過した野洲川が結構増水してるように見えたんで、ひょっとしたら漕げるかも…という淡い期待を抱きつつ。遠くに見えていた山並みがすぐ傍まで近付き、登り坂に入ったところで巨大なダムが忽然と現れました。
 永源寺ダムです。

 うわでけー、うわ汚ねー。湖水は、ミルクコーヒーでした。

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 この前の雨の影響…?
 当然、ダム下も赤濁りで、水量も平水よりかなり多そうでした。

 ※ 帰宅後PCから調べ直すと、鈴鹿山脈では16日晩〜18日の丸二日間に約600mmほど降っていました。日本の年間平均雨量1,700mmという数字と比べると、異常っぷりがよく分かります。当然現地でも雨量計はチェックしていましたが、ガラケー(iモード)では直近12時間しか履歴を遡れないので把握できていませんでした。

 左岸沿いに遡上し、ダムの上流域へ向かう。ちょっとだけ期待してたんですが、むなしくも状況は下流域とあまり変わっていませんでした。景観はいいんですが、土砂が堆積して、ザ・バックウォーターって感じ。ヤバそうな堰堤も見えるし、あんまし漕ぎたいと思えんなあ。とりあえず保留かな…。

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 新渓勢橋に到着。右岸に、支流が注いでいます。名前は御池川。本流とは異なり、やや笹濁り程度です。出合付近を見た感じでは、ギリ漕げるか漕げないかくらい。これも保留にしてさらに上流へ向かう。

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 神崎橋に到着。ここにも支流が流れ込んでいます。停車して橋から下を覗き込むと、信じられない光景がそこにありました。

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 スゲー…。なんてキレイなんや…。しばらく言葉を失って、清冽な流れに見入ってしまいました。すぐ側の看板には、「神崎川」とあります。

 神崎川は、鈴鹿山脈 御在所岳(1,212m)を水源として北流し、東近江市杠葉尾(ゆずりお)にて愛知川左岸に注ぐ、淀川水系の一級河川です。

 シャワクラの聖地として昔から噂には聞いていましたが、まさかここまで美しいとは予想だにしなかった。今まで下った淀川水系の川では随一の清流でしょう。
 ひとめぼれ、というんでしょうか。快適に漕ぐには水量不足っぽいですが、 何なら全部歩いたって構わない。ここは何としても下りたい!

 しかし、川沿いの道の入口には、こんなものが設置されてます。( ;´Д`)

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 心はもうほとんど決まっていましたが、ここもとりあえず保留にして、本川をさらに遡りました。神崎川出合から上流は、茶屋川と名を変えるようです。不老橋にクルマを停め、川を見下ろす。濁りはキツくなり、川幅も狭い。川相はかなり魅力的ですが、この状況でソロで漕ぐのは厳しそう。ここは止めとこうと引き返しました。

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 ふたたび神崎橋に戻る。キツそうな川相とゲートというダブルの難関。いつもなら撤退するところですが、この美しい流れを前にしてどうしても諦めきれない。周辺に聞き込みして、手続きしてからゲート内の林道へと入りました。

 林道沿いからスカウティングしましたが、川相は何となく想像はつくものの、実際はほとんど見えません。1kmほど遡上すると大湯堰堤が現れました。この上流もなんとか漕げそうですが、全部担いだ場合の所要時間を考え、プットインは堰堤下に設定。距離は1kmにも満たないことになりますが、とりあえずこの川にフネを浮かべられるだけでいい。

 回送は徒歩なんで、時間的なことを考えると漕行距離は3kmくらいが妥当でしょう。テイクアウトは、御池川よりちょっと上流の蓼畑橋に設定しました。クルマを蓼畑橋に停めて、ラナと連れ立ってランニング。
 私の体力は、それはもう著しく衰えていて、2kmもしないうちにへばってしまいました。ラナよりも自分自身の引退のほうが実は早かったりして…。ヨレヨレ歩いているうちに、同じく老いたゴールデンを飼ってる地元のおばさんと談笑できたんで、それなりに楽しい時間でしたけど。
 はじめはリードをグイグイ引っ張っていたラナも疲れたのか、ちょこちょこ林道沿いの側溝に浸かってました。そういや幼いころもこんな格好してたなぁ。徳島の那賀川を回送したときやったっけ。

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 ようやく、プットインまで到着しました。川まで下りるまでにヒル1匹ハケーン。広葉樹で落ち葉が堆積してるとこは「出る」確率が高いですね。
 川まで下りる。ラナと一緒に、腰まで浸かってみる。ああ、気持ちええなあ〜。超絶にキレイな水って、だいたい冷たいイメージですが、意外とそうでもなかったりするのが不思議。
 神崎橋からこの川を一目見たとき、一気にテンション上がりました。そして実際この川に入れて、もはや絶頂の域に達しております。自分はやっぱりキレイな川が好きなんやなと改めて思い知りました。まあ、この川見て、心動かされない人はいないと思うけど。

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 そんなこんなで漕ぎ出したのは14時半でした。18時までには帰宅したいんで、片付け、移動など考えると、漕行時間はできれば1時間、最悪1時間半以内に抑えたい。でも、こんな場所では焦りは事故の元なんで、実際はなるようにしかならんのですけど。(´Д` )

 最初の瀬は、ほとんど歩き。まあ、覚悟はしてましたけど。その先は、意外にも時々スタックする程度で基本的には下れました。

 川相は、丸みを帯びた花崗岩質の岩でいたるところ埋め尽くされていて、川筋がはっきりせずまとまりにくい。よって通れそうな場所を探しつつ、ジグザグ小刻みに岩の隙間をすり抜けながら下らなければならない場所が多い。雰囲気は、昨年下った北アルプス槍ヶ岳から流れる蒲田川のそれと少し重なります。
 勾配は、時々先が見えない程度ですが、増水時は全体的にかなりヤバくなりそうな感じ。今日の水量やと、あと20cmくらい水嵩が高ければ快適に下れそうです。

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 漕ぎはじめて15分過ぎ。先の見えない場所に出ました。左岸の川原を歩いてスカウティング。

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 いちおう、流心らしきものはありますが、岩が入っていてコースが狭すぎる。いたしかたなくここはポーテージ。再乗艇の直後には、それはキレイな玉砂利の淵がありました。これがあの淀川の支流というのが、まだ、信じられません。

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 淵のあとに、もう一つ大きな瀬。ここはスムーズに下れました。

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 遠くに神崎橋が見えます。いよいよ終盤。まだ終わりたくないなあ…。一漕ぎ一漕ぎが名残惜しい。

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 茶屋川との出合が見えてきました。出合付近は、池田キャンプ場があります。川遊び中のたくさんのギャラリーに見守られながら、茶屋川へ入る。時刻は15時。およそ30分の行程ということになりますが、ここまで濃密に、ワンパドルに気持ちを込めて漕いだ川も珍しい。

 幼少期に尼崎市民だった私にとって「神崎川」といえば、府県境を流れる、淀川の分流のそれがまず浮かびます。少なくとも当時は完全なドブ川でしたが、ここ近江の神崎川とは奇しくも同じ名前で同じ淀川水系。しかしその川相は、対極的なまでに異なるところに惹かれるものを感じます。全国的に見ても、同じ水系、同じ名前で「片やトップクラスの清流、片やトップクラスのドブ川」の組合せは極めて珍しいケースではないかと思われます。

 このクラスの清流は、全国的にも稀有かと思われますが、実は紀伊半島南部や四国南部まで行けば決して珍しいものではないとも思ってます。決して初めて経験するものでもないのに、なぜこの川にここまで心動かされたかといえば、「私の生まれ育った淀川水系にもこんな川があった」という発見への喜びが大きいんでしょう。
 幼少期を過ごした尼崎市(神崎川)から約90km,少年期・青年期を過ごした枚方市(淀川本川)から約70kmの位置に、自分が生まれ育った川の源流域には、こんな素敵な川があった。いままで淀川水系の川は本川(瀬田川鹿跳渓谷)を含め13本漕いでいますが、ここまで心とろかすような思いをすることは正直、なかったです。

 本日のダウンリバーで、神崎川は淀川水系清流ランキングで暫定首位の地位を獲得しましたが、同時に水源の鈴鹿山脈にとっても興味が湧いてしまいました。神崎川を越えるレベルの清流がまだ他にもあるかもしれない。ということで今後、また機会を見つけて鈴鹿山脈周辺の川探しをしてみたいと考えています。

 ■川地図


より大きな地図で 神崎川(大湯堰堤下〜愛知川出合) を表示


ニックネーム ラナ父 at 23:35| Comment(8) | TrackBack(0) | 近畿>神崎川(近江) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この川の透明度で、もう少し水量があればかなりイイ感じやなぁ。
今年は台風ももう来なさそうやし、このまま渇水機に突入かなあ。
またどっかに行き時は気軽に声掛けてな。
Posted by kyon at 2012年09月25日 08:08
こんばんは。ご無沙汰です。距離は短いですが、すごくイイですよ。ぜひ一緒に下りたいです。

現在進行中で調べまくってますが、鈴鹿は結構ピンポイントで降るみたいで意外とチャンス多いかもしれません。
実は今日も降りまくってたみたいで、神崎川水源の御在所は累計600mm以上観測してました。
http://www.shiga-bousai.jp/rain/rain_table.php?day=2012-09-18&time=21%3A00&interval=60&id1=6&id2=3&id3=9&id4=0&sid=0

今週末など、けっこうチャンスかもしれませんよ。
Posted by ラナ父 at 2012年09月25日 21:59
ウソです。スミマセン。日付間違えました!
19日のキャッシュ残ったままでした。おとといはまったく降ってませんね。

台風18号に期待です。
Posted by ラナ父 at 2012年09月26日 05:49
せっかくやけど…今週と来週はたぶんアカンねん。
また誘ってよ!
Posted by kyon at 2012年09月26日 07:44
了解しましたー。
いずれにせよ今週末は期待薄ですね。
Posted by ラナ父 at 2012年09月27日 06:40
こんばんは。
えーと質問というのはですね、

秋川か忽岳渓谷か漕いでみようかなと思っているんですが、難易度的にいかがでしょうか?

御岳を100、丹波川(道の駅たばやま-お祭り)を200とすると、それぞれどんな感じでしょうか?

先週、秋川の中山峡とか下見しまして、行けそうかなと思ったりもしてるんですが。

そうそう、吉祥滝の金網の階段、ももも完全にへっぴり腰になっていました。


Posted by やまかわ at 2012年10月01日 21:49
おはようございます。

最後に下ってからだいぶ時間も経ってますので、ご参考程度にお考えくださいね(また御嶽など何度も下ってますんで、どうしても低く見積もってしまう傾向があります)。

■中山峡 150(0.94m(秋留橋))…御嶽と同じくらいという印象ですが、御嶽より狭いです。
■惣岳渓谷 200(平水)…水量が乏しいため、パワーはありませんが、かなりテクニカルなコースだった(岩に張り付きやすい)という印象が残ってます。
Posted by ラナ父 at 2012年10月02日 06:23
さっそくありがとうございます。

参考にさせていただきます。

今、わんことカヌー2008、2009の秋川熟読中ですが、ためになりますねえ。

とは言うものの、台風一過、秋川はどんどん水位下がって、もう一雨来ないと、難しそうですね。
Posted by やまかわ at 2012年10月02日 08:12
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